ゴルフのルールは時代とともに変わっていきます。2019年にゴルフのルールが35年ぶりに改正されました。さまざまなルール変更が行なわれたのですが、今回はグリーン上でのルールについて解説していきます。
一般アマチュアの場合はゴルフのプレー時間の中でグリーン上でのプレーが最も多くなります。そこで、ルールを把握していないと周りの方に多大な迷惑をかけてしまうこともあります。これが接待ゴルフであった時はゴルフのルールを知らなかったことで仕事にも影響が出てしまうこともあります。
そのためにグリーン上でのルールを詳しく解説していくのでご参考にしてください。
この記事で分かること
グリーン上での基本ルール

まずは、グリーン上の基本ルールについて抑えておきましょう。
ピンは抜くか抜かないか選択できる
これまでのルールでは、パッティングの時は必ずピンを抜かなければいけませんでした。しかし、新ルールではピンを抜くのか抜かないのか選択することが可能になりました。
パッティングの前にピンを抜くのか抜かないのか宣言します。そして、ピンを抜かないという選択肢をとった時にはピンに当たってカップインしてもペナルティーはありません。この新ルールによってロングパットがピンに当たってカップインという好プレーを目にする機会も増えてくることでしょう。
グリーンにボールが乗ったらマークしてボールを拾う
グリーンにボールが乗ったら、他のプレーヤーのパッティングの邪魔にならないように速やかにマーカーを置いてボールを拾いましょう。拾い上げるボールの位置は、ボールマーカーをボールの真後ろに置いてマークしましょう。この時にボールに泥がついているとボールの転がりに影響が出てしまいます。自分のパッティングの順番までにボールをキレイに拭いておきましょう。
ボールマークやスパイクマークなど損傷個所を修復してもよい
これまでのルールはパッティングライン上にボールマーク(ボールが落下した時に出来るへこみ)やスパイクマーク(スパイクによって出来る傷)などの損傷箇所があっても、それを修復することはできませんでした。そのようなプレーをすると2打罰が科せられていました。
しかし、新ルールではこのプレーが可能になります。ボールの転がりに影響がなければ、パッティングライン上の損傷箇所を修復することが可能です。しかし、ボールの転がりに影響がでてしまうほどグリーンを修復してしまうと罰の対象となるので気をつけましょう。
同伴競技者のボールが止まったのを確認してからストロークする
いつパッティングを開始すればよいのかわからないという方もいることでしょう。ゴルフのルール上、2人以上が同時にパッティングすることは許されていません。自分の順番が回ってきたら、先にパッティングを行なった方のボールに注目する必要があります。そのボールがしっかりと止まったのを確認してからストロークを開始しましょう。
キャディーに傘を差してもらいながらパットしてはいけない
ゴルフを続けていると雨の降りしきる中でプレーをすることもあるでしょう。雨の日のパッティングには注意が必要です。キャディーに傘をさしてもらいながら、パッティングをしてしまうと2打罰になってしまいます。
ラインやグリーンの状況を確認している時に傘をさしてもらうのは問題ありません。アドレスまでは傘をさしてもらっても問題ないので、ストロークの直前にキャディーが遠ざかったのを確認してからプレーを行ないましょう。
グリーン上に水たまりがあれば救済を受けられる
雨の日のプレーではパッティングライン上に水たまりがあるというケースも予想されます。そのような状況の時には救済を受けることができます。救済の方法としては、まずマークをしてボールを拾い上げます。
その後、パッティングライン上に水たまりがない場所、カップに近付かない場所、最初のボール位置から最も近い場所、この3つの条件を満たしている場所にプレースすることが可能です。水たまりがあると水の抵抗でボールの転がりは悪くなり、カップインすることは非常に困難になります。必ず、救済を受けるようにしましょう。
こんな場合はどうする?

プレーをしている中で、この状況ではどう対処したらよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。そこで、状況別の対処方法について解説していきます。
ピンとホールの間にボールが挟まった
ボールがピンとホールに間に挟まってしまった場合には、ボールの位置に注目しましょう。ボールの一部がグリーン面よりも下にある場合にはカップインしたこととみなされます。確率は低いのですが、ボールの一部がグリーン面よりも下にない場合にはカップインとはみなされません。
一旦、ボールがピンに挟まりグリーン面よりも下にないという場面でも風など自然の影響でボールが下に下がった場合にはカップインとなります。ピンを揺すったり、抜いてホールに落ちたりした場合にはカップインにならないので注意しましょう。
風でボールが動いてしまった
アドレス(ボールを打つ体勢)に入ってから突風が吹き荒れてボールが動いてしまったというケースもあります。その時には自然の力によってボールは動いたので無罰でプレーを再開することができます。しかし、ボールが動いた先の止まった場所からプレーする必要があります。このケースの時に、自分でボールを元の位置に戻してしまうと1打罰となってしまうので、気をつけましょう。
同伴競技者のボールを間違えて打ってしまった
同伴競技者のボールを間違えて打ってしまった場合には誤球扱いになります。そのため、2打罰の上で、プレーを続けることになります。つまりは、2打罰でボールが止まった地点から次打をプレーするということです。もしも、ストローク後に間違いに気付いて慌ててしまい、ボールを拾い上げてしまった場合にはボールを動かしたということで、さらに2打罰、合計4打罰になってしまうので気をつけましょう。
ボールマーカーを動かしたのを忘れて、戻さずに打ってしまった
同伴競技者のパッティングライン上に自分のボールマーカーがあり、邪魔にならないようにボールマーカーを動かすケースもあるかと思います。この時に、ボールマーカーを動かしていたことを忘れてしまい、戻さずに打ってしまうとペナルティーの対象となります。この場合には2打罰でプレーを続けることになります。
もしも、元に位置に戻して打ち直してしまった場合にはボールを動かしたことで2打罰が加わるので、合計4打罰となります。ボールマーカーの戻し忘れのないように、同伴競技者のプレーが終わったらすぐに戻す習慣をつける、動かした場合にはボールマーカーを裏にするなど対策を行ないましょう。
グリーンとカラーの境界にあるボールはマークできる?
グリーンとカラーの境目にボールがある場合には、そのボールに注目しましょう。ボールの一部が少しでもグリーンに触れていれば、グリーンに乗っている状態と判断されます。そのため、真上から見てグリーンにボールが触れているか確認しましょう。
グリーンオンの状態であれば、ボールを拾い上げて拭くことが可能です。この時にボールマーカーがグリーンの外にあっても問題はないので、ボールにだけ注目して判断しましょう。